浪人54.75

ただいま深夜ですが、『翻訳はいかにすべきか』、滅茶苦茶に面白い。
海外文学に興味のある方には是非読んでもらいたいです。
いやまだ読み始めて二十数頁ですが、しかしこれは、面白い。
こんなに面白い本を手にしたのは実に久しぶりです。
ううむ。内容もさることながら、柳瀬さんは日本語の文章自体が上手い。
実に楽しませながら読ませてくれる人です。
ジョイスの『ユリシーズ』はいずれ読みたいと思っているのですが、
これはもう、柳瀬訳を読むしかあるまい。
いや失礼。すこし興奮してしまったようです。


でもこの本、とても面白いと思うので、英語科(に限らず諸外国語科)の方や
文学好きの方は、ぜひ一度手に取ってみてください。
まだ読み始めたばかりですが、二葉亭四迷など明治の作家は
翻訳に実に情熱を注いでいたのだな、また日本語はその情熱を
受け止められるだけの豊饒さを携えていたのだな、と深い感慨を覚えます。
日本語とはいまぼくたちが思う以上に豊かなものだったらしい。
四迷の訳文にそれがにじみ出ているようです。
ううむ。唸るしかあるめえ。


それではまた。