東方正教会の合唱に関する話

ところで今日はロシアの教会音楽(東方正教会)とANAL CUNTとジャズを聴きながら
勉強しています。ロシア合唱に関してはこの間「ウォッカ臭がしていやだ」と書きましたが、
訂正します。マジメに聴くとはまった。
ていうかモスクワ典礼合唱団*1はいい。
東方正教会はすでに4世紀にして楽器の使用を禁じており、
鐘でリズムを取る以外はすべてアカペラという絶対的な規則があるそうです。
そしてその規則が、「バスの声で鐘の音を模倣する」というロシアならではの
作曲法を生み出したとか。ラフマニノフの曲とかで使われてます。「ゴーン」みたいな。
ちなみに音でいうと下のCは軽く超えているでしょう。下手するとBとかAとかかも。
日本人には絶対に出せない。ていうか人間に出せること自体驚異。
だからロシアの合唱曲はロシア人以外の演奏は少ないと思います。
スウェーデン放送合唱団*2ラフマニノフの『晩祷(徹夜祷)』を歌っているのは一つの驚異。
どこから探してきたんだバスの人材。
ちなみにこの曲に含まれる「Bogoroditse devo」(カトリックにおける「Ave Maria」)
を以前東京の合唱団で歌ったことがあります。テキストはラテン語Ave Maria
置き換えたものでしたが。最後の2つに分かれるバスの音で、下の音を
誰一人出すことが出来ず、全員上を歌っていた記憶が。
確か下のCとかDとかでした。低すぎ。


ちなみに東方正教会典礼(カトリックで言うミサのことらしい)で使用されるテキストに対し
作曲家が作曲することを禁じていたため(典礼=liturgyで歌われるのはずっと昔に
作曲された曲、ということか?)、近代になりチャイコフスキーラフマニノフ
教会の反対にも関わらず勝手に作曲するまで、liturgical textに対して作曲するのは
一般的でなかったとか。なのでパレストリーナモーツァルトのミサと、
東方正教会の音楽を比較することは無理らしい。
またその意味で、東方正教会のみが、キリスト教で唯一典礼の伝統を今も守り続けているのだ、
ということを今日CDのブックレットで読みました。1ページ強の英語で気が向いたので。
ふだんは英語メンドイので読みません。


最近のもっぱらの疑問は「プロテスタントは歌を歌うのか?」ということです。
ミサみたいので歌を歌うことってあるんでしょうか。
キリスト教徒じゃないので全然わかりません。


ロシアなオススメ盤は結構あるので、適当にASIN張っておきます。
各々の紹介はいずれ。一番下は本文で触れていませんがお気に入りです。
曲も演奏もイイ。ブルガリア放送合唱団*3による、ラフマニノフ
『聖ヨハン・クリソストムの典礼』です。渋すぎ。かっこよすぎ。低すぎ。


ていうかこんなことをしている場合ではなかった。リン酸リン酸。(半ばあきらめ)


St. John

St. John

*1:Moscow Liturgical Choir

*2:Swedish Radio Choir

*3:Chorus Of Bulgarian Radio, Bulgarian Radio Choir