浪人ニッキ76

非常に有名な詩ですけれども、それでも敢えて紹介させてもらいます。

秋の日の
ヴィオロン*1
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。


鐘のおとに
胸ふたぎ
色かえて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。


げにわれは
うらぶれて
こゝかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。

(ヴェルレーヌ上田敏訳)


今年もそういう季節になってきました。
昨日は、福岡では雪が降りました。いまも寒いです。
寒くて余計に外に出られない、非常に情けないですけれども、
寒いのは仕方がない。はやく春がこないかなあ。即物的な意味で、ですよ。
精神的には、自分はいつも秋です。やがてくる冬を予感しつつ生活する。
「ここかしこさだめなくとび散らふ落葉」、その落葉の中でも、
特に朽ち果てた一枚でしょう。いや、ぼくはとんでもないうぬぼれ屋のようですね。
皆さんはどんな季節を持っていますか。
それではまた。

*1:violon、バイオリンのこと