矢野絢子の詩に関する話

一昨日書いた、矢野絢子に関する話です。
以下、『一人の歌』の歌詞の一部です。

あなたがどんなに悲しくても
僕にそれは伝わらない
あなたの視界が歪んでも
それはあなたの世界だもの


(中略)


いつかまた明日にでも
僕が傷つき転んでも
その痛みは僕のもの
他の誰にも伝わらない


いかがでしょうか。
ぼくは初めこの詩を見たとき、あまりに普段ぼくが思っていたことと重なっていて、驚きました。
漫画『寄生獣』の最後で、ミギーは「人間は所詮"点"でしか分かり合えない」
と言っていますが、このことと上の詩とは共通点が多いと思います。


土台僕たちはこれまで個々人が違う経験をし、違う行動をとってきたわけだから、
根本的に他人の理解をするというのは無理な話だと思わざるを得ません。
それなのに、自分は他人のことが解ると思い込んでいる人が多い。
それは単に偽善であるだけでなく、悪徳ですらあると思います。


別に僕たちが天涯孤独だと言うのではありません。
むしろぼくは、点でしか分かり合えないというよりは、
それぞれ長さの違う線において理解し得るのだと思います。
しかしそれはあくまで有限の線分であって、無限に伸びる直線ではない。
このことはちゃんと理解しておくべきだと思います。


舌足らずの文章ですが、それではまた。